未来をひらく科学講座 シーズン1 「生命のしくみ」

 

JSAO主催の連続講座「未来をひらく科学講座」シリーズが始まります。

シーズン1のテーマは「生命(いのち)のしくみ」(全5回)

 

現代の科学・技術に人はどう向き合っていけばいいのかを学び、考えるシリーズです。研究者が語る生命科学の知識をまなびつつ、DNAから人、社会、地球そして宇宙まで、未来への道を考えてみませんか。

 

講座の申し込みは以下のページから(当日参加も可):

「未来をひらく科学講座」申込み

 

期間:2019年10月26日〜2020年3月28日

会場:国労大阪会館(JR天満より徒歩5分)

参加費:1講座1,000円

(全講座事前申込みの場合は3,000円に割引)

 (院生・学生は半額、高校生以下無料)

 

プログラムと概要:

第一講座 2019年10月26日(土)18〜21時

 #終了しました
 私たちは科学といかに付き合うべきか

 池内 了(名古屋大学 名誉教授 宇宙物理学)

現代科学に共通する側面は、科学至上主義、業績主義、競争原理、経済論理などであろうか。結果として、科学者はひたすら科学の業績を挙げることに夢中になり、科学が社会においてどのような状況にあるのかが見えなくなっているのではないかと危惧している。社会との関わりを大切にし、理論と実践を積み重ねる科学者会議の連続講座の開始にあたり、数年前から提唱している「等身大の科学」という視点から、科学の在り方、現在の科学が取り落としているものについて、お話し、ともに考えあいたい。

 

第二講座 2019年11月23日(土)13〜16時

 #終了しました
 “生命の不思議の世界” 生化学・分子生物学的アプローチ

 宗川 吉汪(京都工芸繊維大学 名誉教授)

 20世紀の後半、タンパク質の立体構造と酵素の働きとの関係が明らかにされ、核酸を中心とした遺伝情報伝達の仕組みが解明された。現代の生化学は、タンパク質の構造と機能、生体エネルギーと代謝、遺伝情報の伝達の3本柱で構成されている。 現代の生化学・分子生物学パラダイムを背景に「エントロピーと“生命力”」「生物界における遺伝暗号表の統一性」についてお話し、“生命の不思議の世界”へ案内します。

 

第三講座 2020年1月18日(土)13〜16時

 #講師が変更になりました
 新しい遺伝子の仕組み エピジェネティクス

 仲野 徹(大阪大学大学院・医学系研究科・病理学 教授)

 エピジェネティクスという言葉をご存じでしょうか?ヒトゲノムが解析され、いろいろなことが明らかになりました。しかし、それだけでは不十分です。遺伝子が発現するには、ゲノムに上書きされた情報である「エピジェネティクス」が必要なのです。
 アサガオの模様、ネズミの一夫一妻制、記憶や学習、ストレス応答など、じつにさまざまな生命現象にエピジェネティクスが関与していることがわかっています。それだけではなく、がんや生活習慣病といった病気にも関係していますし、エピジェネティクスを操作する薬剤も臨床で使われています。
 講演では、エピジェネティクスとは何か、どこが面白いのか、など、わかりやすく紹介するつもりです。
<参考文献>
仲野 徹 『エピジェネティクス 新しい生命像をえがく』(岩波新書)

 

第四講座 2020年 2月22日(土)13〜16時

 ゲノム編集の衝撃

 二木 杉子(大阪医科大学医学部 助教)

加速度的に発展した分子生物学と遺伝子工学は、生命の設計図であるゲノムを解読するにとどまらず、遺伝子を意図的に改変する技術を生み出しました。特に2012年に発表された、CRSPR/Cas9(クリスパーキャスナイン)とよばれる方法は、遺伝子改変の成功率が非常に高いことで注目され、わずか数年のあいだにゲノム編集を施した人間が誕生するという状況に至っています。ゲノム編集技術がもたらす結果に社会は追いついていません。ゲノム編集の背景と、それが人類にもたらすものについて考えます。

 

第五講座 2020年3月28日(土)13〜16時

 JT生命誌研究館 見学(JR高槻駅 徒歩10分)

生命誌は、人間も含めてのさまざまな生きものたちの「生きている」様子を見つめ、そこから「どう生きるか」を探す新しい知です。地球上の生きものたちは38億年前の海に存在した細胞を祖先とし、時間をかけて進化し、多様化してきた仲間です。すべての生きものがDNA(ゲノム)として、それぞれの体内に38億年の歴史を持っています。DNA(ゲノム)は壮大な生命の歴史アーカイブです。そこにある歴史物語を読み解くことから、生命・人間・自然を知り、それらを大切にする社会づくりにつなげて行きます。

 

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