カジノあかん!夢洲あぶない!ここで万博大丈夫? 10・22市民集会

会場のあふれる参加者
 科学者会議大阪支部も参加する実行委員会が主催した集会が開催されました。維新の大阪府・市政が安倍政権の後押しを受けながら、2025年の万博と一体に、大阪湾の埋め立て地・夢洲(ゆめしま)にカジノを核とする統合型リゾート(IR)の誘致へ暴走する中、カジノの害悪や夢洲の安全性などをあらためて考え、カジノ誘致に反対する運動を大きく広げようと開かれたものです。
会場に入りきれない800人を超える参加者で集会は大成功。集会後、「カジノをやめて福祉に回せ」「気いつけや、カジノが狙うその財布」などと唱和しながら、デモ行進しました。

多彩なプログラムで連帯
 集会開催を呼び掛けた各界の16人を代表して、公共政策ラボ代表で元大阪市長の平松邦夫さんが開会あいさつ。大阪の政治で「数さえあれば何でもできる」という風潮が広がる中、大阪万博の開催が決まったが、カジノありきの夢洲開発に大きな疑問だとし、「諦めずに立ち上がり、市民の『気付き』を束ねたいという思いに駆られた人たちが集会を企画しました」と語りました。
 カジノ問題を考える大阪ネットワーク代表で阪南大学の桜田照雄教授が、ビデオメッセージでカジノ問題をめぐる情勢を報告しました。横浜市長がカジノ誘致を打ち出し、ラスベガスサンズなどカジノ資本が進出先を大阪から横浜へ切り替え、東京でもカジノ誘致の動きが出ているとし、「東京・横浜に世界最大規模のカジノゾーンができることは大問題だ」と述べました。
 桜田氏は、府市は今秋に実施方針を策定して事業者の公募を開始することを狙うなど、動きを速めているとし、「いよいよ正念場。カジノ推進派の最大の弱点は、問題だらけの夢洲でつくろうとしていること。危険性を府民、市民に広げ、夢洲にも大阪にも、日本のどこにもカジノはいらないと訴えよう」と呼び掛けました。

津波で大被害が 液状化の危険も
 神戸大学名誉教授の田結庄良昭さんが、南海トラフ地震で想定される夢洲の被害について講演しました。府は「安全」と宣伝しているが、津波は自動車並みの高速の流れで押し寄せ、地震動の液状化で沈下した護岸を越えて、大きな浸水被害が出ると警告。液状化によるインフラの破壊、大阪港のコンビナートのタンクの損傷・火災などを挙げ、「こんな危険なところで、解決方法もないのに(カジノや万博を)やるのはいかがなものか」と力説しました。

リレートークで告発・全国から連帯も
 リレートークではギャンブル被害の当事者、弁護士の石田法子さん、大阪自然環境保全協会など各分野の10人が発言しました。
 全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会の新里宏二弁護士が連帯あいさつ。和歌山市、長崎市、横浜市、苫小牧市と、台湾でカジノ反対運動に取り組む市民団体から、メッセージが寄せられました。野党の国会議員や地方議員らも参加し、紹介されました。

「日本の科学者」10月カジノ特集号普及
科学者会議大阪支部は、実行委員会に参加するだけではなく、長野氏や桜田氏と連携し、「日本の科学者」10月カジノ特集号の普及に努めました。大阪府議会と市議会の全議員171名に特集号を無料発送しました。大阪支部単独での販売は約200部になりました。特集号を教材に地域のいたるところでカジノあかんの小集会や学習会、お話し会を行い、カジノに危険性と夢洲の危険性を共有・拡散しましょう。