関西懇10月例会報告  関西電力の原発マネーを解明する

高浜町の元助役から関西電力の役員20名に対し、7年間に3.2億円の金品が還流していた「原発マネー」について、腐敗構造を徹底究明することが必要との観点から、以下の点について検証を試みた。

  • 今回明らかになった原発マネーの流れは、7年間に限定したものととらえて良いのか。
  • 関電と一部週刊誌報道によるように、元助役の強引な「金品押し付け」だったのか
  • その背景に、元助役の出自に関わる問題と暴力団紛いの対応があったのか
  • 真相究明は関電による第三者委員会に任せて良いのか

、関電による「原発マネー」運用は原発建設参入当初から現在まで続いている
 関電は、少なくとも1972年から18年間歴代首相7人に盆暮れに1千万円づつ献金してきた。政界全体に配った資金は年間数億円に上った。原資はすべて電気料金だった。(内藤元副社長談)


、東電福島原発や九電玄海原発の立地自治体首長の親族が工事を請け負う構造など、関電高浜原発の例に限らず、原発稼働に理解を得たい大手電力と、「原発マネー」で潤う地元企業のもたれ合う構図が全国の立地地域で長年続いている。工事契約の詳細は公表されず、特定企業への高値発注や優先的な発注があってもすべてをチェックすることができない状態にある。今回も元助役に顧問とし3億の資金を提供していた吉田開発への発注は、入札なしの特命契約が続けられ、工事内容と発注金額は黒塗りのままで開示されていない。経産省は原本資料を保持していながら開示しようとしていない。


、関電は、高浜原発建設当初の1977年に助役に就任した元助役を窓口に、10年間に44億円の寄付金を投入し、その資金を背景に元助役は地元の反対を抑え込み、揉めやすい建設利権などを差配し、原発の危険性を無視した強引な建設と稼働を可能にしてきた。モンスターを作り上げてきたのは関電自身なのだ。元助役からその間の行為の記録の公表をほのめかされ、元助役との癒着構造を続けてきたのだ。


、元助役の出自を取り上げた差別構造を利用してまでの卑劣な問題のすり替えは絶対許せない。原発を建設し稼働するため、そして自己保身のためには、どんなものでもどんな金でもどんなウソでも利用する、倫理も正義も人権も投げ捨ててしまう極度の「原発依存症」ともいえる腐敗事業の実態がそこにある。
 元助役の力の根源が高浜原発建設に関わる「集落立退」や「道路建設」に関わる利権にあるとする報道のウソを、現地の変遷を航空写真で追跡し検証した牧田寛氏のブログ「コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」(https://hbol.jp/203897)を参考にした。


、関電の社内調査委員会も監査委員会も「法的に問題ない」と取締役会に問題の報告すらしなかった。調査委員長は元大阪地検検事正(データ改竄で村木冤罪事件をでっち上げ検察を追放された人物)であり、関電に天下りした元検事総長が監査役であった。裏金を受け取った社長の下で任命・調査・報告を行う第三者委員会では、元検事総長がいるからといって真相究明ができるとは思えない。国会での徹底的な真相究明が必要である。
 
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