【哲研3月例会報告】解説 新型コロナウイルス D614G変異型 ー強い感染力は突起(スパイクタンパク質)の構造変化によるー

 

報告要約

2019年12月に武漢で始まった新型コロナウイルス(野生型)から、多くの変異株が誕生しました。その中でD614G変異型ウイルスが、数か月間で野生型ウイルスを乗りこえた優勢なウイルスとして世界に拡散定着してきました。D614G変異型ウイルスとは、ウイルス表面の突起を形成しているスパイクタンパク質に ただ一か所でアミノ酸置換が起こっているものです。つまり614番目のアミノ酸が、野生型のアスパラギン酸からグリシンに置き換わっているのです。D614G変異型ウイルスの感染力強化の原因が、スパイクタンパク質分子の原子レベルの変化にあることを明らかにしたYurkovetskiyらの研究結果が紹介されました。 


参加者による質疑・討論は、イギリス・南アフリカ・ブラジル由来の変異型、ワクチン、治療薬、検査体制、コロナパンデミックに取り組む政府の姿勢等々 多岐にわたりました。

(報告者 小笠原京子)


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